Un puro godiamento della vita -人生の純粋な快楽-
過ぎた快感にたゆたっていた山本は、γが身を起こし、体内から萎えたそれが濡れた跡をつけるように出されて薄目を開けた。
「…子供はんなことしねーぞ」
「オレにとっちゃ、かわいいバンビーノさ」
汗を浮かべる山本の額にかかる髪を指ですくってγは立ち上がった。シャワーを浴びてくる、という誘いに手を振って拒絶の意を示し、山本は目を閉じた。俯せになると体内をどろりと動く粘液を感じて眉をしかめる。想像した痛みは無いけれど、未だなにか挟まっているような感触が去らない。ロクでもない男にひっかかったと笑いながらも、とりあえず今のウチにと携帯に手を伸ばした。電源を入れて獄寺を呼び出す。夜明け前、仕事をしていなければ寝ている筈と当たりをつける同僚の携帯は予想通り留守番電話が応対した。こんな時間に電話を寄越すのはこれまたロクでもないことに違いない、と着信拒否の現れかもしれない。山本は笑いを零してせいぜい出せるだけのちゃんとした声を用意した。
「昨夜のアレ、後始末の時間がまだまだかかるから午後から出るからさ、伝えといて。よろしく」
電源を切って、離れたソファへと放り投げると艶やかに光を反射する柔らかい革の上で携帯は弾んだ。そこにγが蒸気をまとってバスルームから出てきた。
「動けるか?」
「当たり前」
身体を起こすと、中で出されたものが移動するのがわかる。それを見透かしたγはバスルームのドアを山本のために開けたまま抑えた。
「全部出しとけよ」
「もっと色っぽいこと言えよ」
パタン、と閉じて溜まり続ける湯の中に身体を滑らせると、まだ興奮しているのか熱い湯にあちこち刺激される。
「なんか、はまりそうかも」
バスローブで髪の毛をタオルで覆うγも、バーボンを煽りながら口元を綻ばせた。寝乱れたシーツを眺めながら、山本と同じことを口にした。
「――しかし、名前も知らない相手と寝たのは初めてだぜ」
羽を畳んだジッリョネロファミリーの証のマーレリングが鈍く光る指で前髪をかき上げながらγは苦笑した。